2025年10月05日

秋は不動産資格の受験シーズン

みなさんこんにちは。

 

秋は、不動産業界で働く上で非常に重要となる国家資格や、マンション・賃貸不動産の管理に関する専門資格など、

複数の主要な資格試験が集中して実施される「資格試験シーズン」です。

特に、10月から12月にかけて実施されるこれらの試験は、

不動産の「取引」「管理」「経営」といった多岐にわたる分野をカバーしており、

不動産キャリアを築く上で欠かせません。

ここでは、秋に実施される主要な不動産関連資格試験として、

宅地建物取引士(宅建士)マンション管理士

管理業務主任者賃貸不動産経営管理士の4つを、

それぞれの特徴と難易度、

そして概ねの日程(2025年度など近年の傾向に基づく)とともに詳しくご紹介します。

家づくりをする上で、勉強しておくと非常に役立つ資格も

ありますので、気になる方は挑戦してみてください。


1. 宅地建物取引士(宅建士)試験:不動産取引の要

資格の概要と重要性

宅地建物取引士(宅建士)は、不動産に関する最も有名で、

業界で最も必要とされる国家資格です。主な独占業務は、

不動産の売買賃貸借契約が成立する前に、顧客に対し重要事項を説明し、

重要事項説明書に記名押印すること、

および契約書に記名押印することです 。不動産会社(宅地建物取引業者)は、

事務所ごとに従業員5人につき1人以上の割合で宅建士を

設置することが義務付けられています。

試験時期と難易度

項目 概要(近年の傾向)
試験日 10月の第3日曜日
試験形式 50問・四肢択一(マークシート)
試験時間 2時間(登録講習修了者は1時間50分)
合格率 例年 15%〜18% 程度
難易度 難関(受験者数が約20万人と多いが、合格率は比較的低い)

宅建士試験は、秋の不動産資格試験の口火を切るもので、

例年10月の第3日曜日に実施されます。

試験科目は、民法などの権利関係宅地建物取引業法

法令上の制限税・その他の4分野で構成されます。

不動産業務の基礎知識が幅広く問われるため、

その後の不動産関連資格の学習の土台としても重要です。

受験者数が多いため、競争も激しいですが、

不動産業界でのキャリアをスタートさせる上で最優先で取得すべき資格と言えます。


2. マンション管理士試験:マンション管理のプロフェッショナル

資格の概要と重要性

マンション管理士は、マンション管理組合の運営や、

建物・設備の維持修繕等に関して、

管理組合や住民からの相談に応じる専門コンサルタントとしての役割を担う国家資格です。

受験資格に制限はなく、誰でも受験できますが、

その専門性の高さから難関資格として知られています。

マンション管理の専門知識を活かし、管理規約の改正、大規模修繕計画の策定支援など、

高度な助言を行うことが期待されます。

試験時期と難易度

項目 概要(近年の傾向)
試験日 11月の最終日曜日
試験形式 50問・四肢択一(筆記試験)
試験時間 2時間
合格率 例年 7%〜10% 程度
難易度 最難関クラス(宅建士試験より難しいとされる難関資格)

試験は例年11月の最終日曜日に実施されます。

試験科目は、マンション管理適正化法管理組合の運営

設備・構造会計など多岐にわたり、法律問題が多いことに加え、

宅建士試験では深く問われない会計知識も必要とされるため、

難易度は非常に高いです。合格率は例年10%前後と低く、

不動産系の資格の中でも最難関クラスに位置づけられます。

ただし、後述する管理業務主任者の資格を持つ場合、

試験科目の一部(5問)が免除されます。


3. 管理業務主任者試験:マンション管理会社の設置義務資格

資格の概要と重要性

管理業務主任者は、マンション管理会社に設置が義務付けられている国家資格です。

主な業務は、管理受託契約の重要事項の説明・記名押印や、

管理事務の報告など、マンション管理会社側で専門的な管理業務を行うことです。

マンション管理士が「管理組合(住民側)」のコンサルタントであるのに対し、

管理業務主任者は「管理会社(業者側)」の業務責任者という位置付けになります。

試験時期と難易度

項目 概要(近年の傾向)
試験日 12月の第1日曜日
試験形式 50問・四肢択一(筆記試験)
試験時間 2時間
合格率 例年 20%〜23% 程度
難易度 難関(マンション管理士と試験範囲が重複するため、W受験も多い)

管理業務主任者試験は、例年12月上旬の日曜日に実施されます。

試験科目はマンション管理士と重複する部分が多く、

マンション管理適正化法民法会計などが出題されます。

マンション管理士と試験日が近接しているため、

両資格のW(ダブル)受験をする受験生も多く、

効率的な学習が可能です。難易度はマンション管理士よりやや易しいものの、

合格率は20%前後で推移しており、しっかりと対策が必要です。


4. 賃貸不動産経営管理士試験:賃貸管理の国家資格

資格の概要と重要性

賃貸不動産経営管理士は、2021年に国家資格化された比較的新しい資格です。

主に賃貸住宅の管理業務を行う上で必要な専門知識を証明するもので、

200戸以上の賃貸住宅を管理する賃貸住宅管理業者には、

事務所ごとに業務管理者を1名以上設置することが義務付けられており、

この資格がその業務管理者の要件の一つとなっています。

賃貸管理の適正化を図る上で重要度が増しており、近年受験者数が急増しています。

試験時期と難易度

項目 概要(近年の傾向)
試験日 11月の第3日曜日
試験形式 50問・四肢択一(筆記試験)
試験時間 2時間
合格率 例年 25%〜30% 程度
難易度 普通〜やや難(国家資格化により難化傾向にある)

試験は例年11月の第3日曜日に実施されます。

試験科目は、賃貸管理業務の知識賃貸借契約

建物・設備の維持保全賃貸業法など、

賃貸経営全般にわたります。国家資格化以降、

試験の難易度は上昇傾向にあり、合格率は20%台後半で推移しています。

賃貸管理の専門性を高めたい方、

特に賃貸仲介・管理会社で働く方にとっては必須の資格となりつつあります。

まとめ:秋の資格試験スケジュール

秋の不動産関連資格は、以下のように集中しています。

資格名 実施時期(例年) 関連分野
宅地建物取引士(宅建士) 10月 第3日曜日 不動産の取引全般
賃貸不動産経営管理士 11月 第3日曜日 賃貸不動産経営・管理
マンション管理士 11月 最終日曜日 マンション管理組合支援
管理業務主任者 12月 第1日曜日 マンション管理会社業務

これらの試験は、不動産の「取引(宅建士)」から

「賃貸管理(賃貸不動産経営管理士)」、そして

「分譲マンション管理(マン管・管業)」までを網羅しており、

不動産キャリアを深く、広く構築するための絶好の機会を提供します。

各資格の試験範囲は一部重複しているため、

特にマンション管理士と管理業務主任者、

また宅建士と賃貸不動産経営管理士といった組み合わせで

計画的に学習を進めることで、効率的なステップアップが可能です。

不動産に従事する方々以外も、今回ご紹介したような資格の知識があると

家づくりについて非常に役に立ちます。

将来的な家づくりを検討しているという方は、

この機会に挑戦してみるのも良いかもしれません。

今回もお読みいただきありがとうございました。

次回の更新もお楽しみに!